映画 ラ・ジュテ

ラ・ジュテ

第3次世界大戦後の廃墟のパリ――。
放射能に汚染されたパリの地下で、戦争を生きのびた勝者側の科学者たちは、“過去”と“未来”に人類の救済を求めるために、捕虜を使って時間旅行を試みる。
彼らはそこで、ある記憶に取りつかれた男を選び出す。彼は少年時代、オルリー空港の送迎台で見た断片的なイメージ――凍った太陽と叫ぶ女――が心に焼き付いている。
実験台での注射により過去に送り込まれた男は、送迎台で見た女と再会し夢見心地の時間を過ごす。続いて、未来へと送り込まれた男は、世界を救うためのエネルギーを持ち帰る。
そして、彼は自分の記憶の驚くべき真実を知ることになる・・・。

大胆極まりない設定を鮮烈なイメージに溢れるモノクロ映像に翻案・凝縮編集した、映像美の結晶とも言うべき傑作短編映画『ラ・ジュテ』。
多くの映画人を虜にし、なかでも、テリー・ギリアム監督がこの『ラ・ジュテ』を原案に『12モンキーズ』を作り上げたのはよく知られている。

1963年ジャン・ヴィゴ賞・受賞/1963年トリエステSF映画祭・金賞受賞
監督・脚本:クリス・マルケル/編集:ジャン・ラヴェル/朗読:ジャン・ネグロニ/音楽:トレヴァー・ダンカン/美術:ジャン=ピエール・シュドル/製作:アナトール・ドーマン/出演:エレーヌ・シャトラン、ダヴォス・ハニッヒ(1962年フランス作品)

(C) 1962 ARGOS FILMS

28分収録/片面1層/モノクロ/16:9/モノラル/リニアPCM/日本語字幕

内容(「キネマ旬報社」データベースより)

『ベトナムから遠く離れて』のクリス・マルケル監督が全編スチール・カットで撮影し、多くの作品に影響を与え続けているSF作品。第3次世界大戦後、荒廃した世界の中でわずかに生き残った人類は、過去と未来に救済を求めてひとりの男を送り込む。