うつと呼んでいるもの

われわれがうつと呼んでいるものにもいろいろなものが含まれているのだと思う

筋肉痛のことを考えても
マラソンのあとの筋肉痛ならば普通のことだし
何もないのに筋肉痛ならばやはり病気なのだろう
真剣な恋を失った失恋のあとで悲しいのは当然だけれど
特に何もないのに涙が出て死にたくなるのはやはり病気だろう
元気の欠如でうつということもあるが
悲観の過剰でうつということもある
欠如を見ているのか
過剰を見ているのか
考えてみる必要がある
そういったうつを全部含んでうつと呼ぶのは
やはり話を不正確にしていると思う
たとえば
プラセボが効くうつが20%
新規抗うつ剤が効くうつが25%として
これは薬が効かないのではなくて
うつの分類がゆるすぎるのと
プラセボ投与の場合も
治験コーディネータがとても詳細に生活をチェックするので
生活が建て直されてしまうことが原因だと思う