娘はキリスト教の牧師さんになる学校に行ってたんですよとその男性は言う
娘が妊娠してしまう騒ぎがあってとにかくお互いに学生だということで中絶した
その後、その人と学生のうちに婚約をした
婚約者が卒業して修行をして一人前になって帰ってきたら正式に結婚する約束になっていた
よかったですね
それだと永代供養料が節約できるじゃないですかと私は冗談を言った
ところがしばらくして修行から帰ってきた彼は婚約破棄を言い出した
婚約は愛ではなくて罪の償いだった
それだけで結婚生活を営むことはできないとの言い方だった
その事は父親である彼にも動揺をもたらした
もちろん娘も母親も悲しんだけれど
どうしようもなかったらしい
珍しい話ではないけれど
やはり悲しい話だ
世の中は少しのところでうまくいかないものだと思う
みんなまじめすぎたのかもしれないとも思う