謙虚について

謙虚な人は徳が高くて

とてもいいのだからそうなりたいものだが
どうすれば謙虚になれるかを考えた
自分を馬鹿だ醜い鈍くさいと本当に思って
人生を生きるのも大変につらい
普通の人間には耐え難い
そこで人から賞賛されたいとか人より目立ちたいと思うと
もう傲慢の領域である
よくない
逆に究極的に傲慢になって
私は世界で一番美しいとか徳が高いとか賢いとか思い込んでみたらどうだろうか
この世で一番なのだから
もう誰にも認めてもらわなくても平気ではないか
あなたの認知能力が世界で一番だとすれば
その微妙な感受性に誰もついてこられないのも当然ではないか
むしろ世界一の美女なのに他人にはそれとは知られずに生きているなんて
とってもすてきではないか
そしてそう思えば他人になどいくらでも優しく出来るではないか
どうせ相手は出来損ないのかわいそうなやつなのである
自分が相手よりも美人なのかどうか不安なうちは確認したくもなる
しかしいまやもう自分が世界一の美女であることは確定なのである
最終的には私の美貌にはどうしたってかなわない
周りのかわいそうな人に少しだけ優しくしてあげたって
全然構わないではないか
国連親善大使みたいに腰を低くして振舞うことができるではないか
そのひとのために涙を流してあげることだって
国連親善大使には簡単にできる
そう思うと謙虚であることはしびれるくらいの快感になるのだ
相手を褒めてあげる
気持ちよくしてあげる
尊重してあげる
その人のいないところで褒めてあげる
先に通らせる
先に降ろす
先に食べさせる
楽をさせてあげる
自分は世界一の美女としてある程度の苦労をしなければつりあわないではないか
そう思えばなんでもできる
そのくらいは世界一の美女にすれば朝飯前である
むしろ唯一の務めである
あなたは世界を手中に収めているのだから
ただそう思っていることは他人には決して打ち明けないのがよい
究極の傲慢が謙虚なのである
逆に謙虚が持続できるのは究極の傲慢なのである
謙虚な人がいたとして
謙虚にできるということは賢いからだというくらいは
その謙虚な人にも分かっているはずだ
そこから見ると巨大な傲慢なのである
自分は世界一だと傲慢に思い、しかしそのことを誰にも話さずにいれば、
徳が高いと言われるのだから随分とお得な生き方である
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