妄想のいろいろについて

幻覚・妄想症状などと言うが並べていいものではない

薬で妄想が消える場合があるのはなぜか
ただ何も考えなくなるだけなのだろうか
一方で薬で消えない妄想がある
なぜか
幻覚の中では幻聴と幻視は区別すべきだと思う
幻聴に音の要素がどれだけあるかと考えると
音の要素の関与が大きいものと小さいものとがあるだろう
幻聴については薬が効くと思う
それには
簡単なメカニズムがある
では妄想にはどんなメカニズムがあるか
統合失調症者の語る妄想とパラノイア患者の語る妄想は質的に違うように思う
統合失調症者の妄想は病気だとよく分かる
パラノイア患者の語る妄想は病気というよりも世界観そのものなのだと知らされる
世界を解釈するすべてがその世界観なのだから
その世界観を訂正する契機はなかなか発生しないのだ
訂正不可能なものを妄想というのであるが
訂正不可能であるのは妄想の中身によるのではない
そのようにして発生して成立している妄想であるから訂正不可能なのである
世の中には訂正可能な間違った信念がいくらもある
ーー
パラノイアの想念が前世界の隅々までを真っ黒に染め上げる様子を見ると
絶望せざるを得ない
訂正も何も諦めるしかないのである
ーー
その様相は、何の変哲もない平凡な事象を拾い集め、捻くれた、奇妙に一貫した論理もどきのもので
まとめあげたようなもので、奇妙にバラバラで恣意的あるが、突然のように論理的だと主張されるので
辟易である。
小さな兆候を反復して語り続け、針小棒大に語り、あくまで鈍感で無反省で非論理的であるが
自己内部での無謬性を確信しているので相手はついには根負けする仕組みになっているのだ
論理で勝っているのではなく根負けさせているだけなのであるが
正しいから勝っているのだと錯覚し続けるところに奇妙さがある