呼吸による気づきの教え(アーナパーナサティ・スッタ)

呼吸による気づきの教え(アーナパーナサティ・スッタ)
 修行者は森に行き、樹下に行き、あるいは空家に行って、足を組んで坐り、身体をまっすぐに保って、対象に満遍なく気づきを向け、気をつけて息を吸い、気をつけて息を吐く。
最初の四考察(身体に関する組)
一.息を長く吸っているときには「息を長く吸っている」と知り、息を長く吐いている
  ときには「息を長く吐いている」と知る。
二.息を短く吸っているときには「息を短く吸っている」と知り、息を短く吐いている
  ときには「息を短く吐いている」と知る。
三.「全身を感知しながら息を吸おう、全身を感知しながら息を吐こう」と訓練する。
四.「身体の動きを静めながら息を吸おう、身体の動きを静めながら息を吐こう」と訓練
  する。
第二の四考察(感受に関する組)
五.「喜びを感じながら息を吸おう、喜びを感じながら息を吐こう」と訓練する。
六.「安楽を感じながら息を吸おう、安楽を感じながら息を吐こう」と訓練する。
七.「心の動きを感じながら息を吸おう、心の動きを感じながら息を吐こう」と訓練する。
八.「心の動きを静めながら息を吸おう、心の動きを静めながら息を吐こう」と訓練する。
第三の四考察(心に関する組)
九.「心を感じながら息を吸おう、心を感じながら息を吐こう」と訓練する。
十.「心を喜ばせながら息を吸おう、心を喜ばせながら息を吐こう」と訓練する。
十一.「心を集中させながら息を吸おう、心を集中させながら息を吐こう」と訓練する。
十二.「心を解き放ちながら息を吸おう、心を解き放ちながら息を吐こう」と訓練する。
第四の四考察(法則性に関する組)
十三.「無常であることを繰り返し見つめながら息を吸おう、無常であることを繰り返し
    見つめながら息を吐こう」と訓練する。
十四.「色あせてゆくことを繰り返し見つめながら息を吸おう、色あせてゆくことを繰り返し見つめながら息を吐こう」と訓練する。
十五.「消滅を繰り返し見つめながら息を吸おう、消滅を繰り返し見つめながら息を吐こ
    う」と訓練する。
十六.「手放すことを繰り返し見つめながら息を吸おう、手放すことを繰り返し見つめ
    ながら息を吐こう」と訓練する。
                                    (パーリ語原典より、井上ウィマラ訳)