日本には安価な労働力はないが
優秀でまじめな労働力があるし
なんといっても知財があるのだと新聞に書いてある。
まず中国やインドで優秀でまじめな労働力がないとは全然思わない。
いままでそんな気にならなかっただけで、
儲かると分かれば本気で始めるだろう。
知財とは知的財産とか知的財産権とかのことで
著作権とか特許とかそんなものだろう。
そんなものに頼っていていいのか、かなり疑問もある。
MS、IBM、ゼロックス、ディズニーなどアメリカ企業がその代表だろう。
著作権や特許は何かの強権的な権力で強制する仕組みがなければ成立しないことは明らかだ。
また、後に続くものがまねをしたとして、どの範囲が許されるまねで、どこからが
権利の侵害になるのかについては多分無限に理屈が付けられるだろう。
アップルとMSの訴訟などが代表的。
そして裁判を長引かせている間に裁判の意味がなくなる。
技術革新は早いし流行の変化も早いはずだ。
アメリカが世界の警察を任じていたのはそのような背景もあるだろう。
またグローバル化を押しつけて回ったのもそのような背景があるはずだ。
しかし一方で別にまねしてもらってもいいよという人たちも増えている。
日本の会社などで特許を持っているとしても、それを使わなくてすむような工夫を誰かがするだろうということは充分に考えられる。
ゼロックスがコピーマシンの基本特許を持っているのだが、
キャノンはその特許を侵害しないように巧妙に同様の機能を持たせることに成功した。
その後たとえばリコーなどもさらに細い道を開発して成功しているらしい。
国ごとに取り締まり権力に差があるとすれば安心して商売ができるとは思えない。
多分根本的に無理な話なのだと思う。
非常に難しい技術で誰もまねできないという水準ならば安心であるが、
たとえば医薬品のようにすぐにまねができるものは取り締まり機構があって初めて利益になる。
取り締まり機構はそれはそれで金がかかる。貧しい国には無理だろう。
そもそも国家が主体になってコピー薬品を作り輸出するとすれば話は難しい。
知財で食っていこうというのはなんだか危ういと思う。
音楽などはすでに出尽くした感もあり、
あとできることは著作権にひっかからない範囲で引用する事だともいわれている。
頭の悪い人ならオリジナルだと思っているものが
頭のいい人にはこれはあれと似ていると感じられてしまう。
頭の悪い人はオリジナルだと信じられるのだから幸せだと思う。
頭のいい人は少し不幸だと思う。
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経済産業省のページで「もうけの花道」というのがあって「知財戦略のススメ」だそうだ。
だめな感じがする。http://www.mouke.tv/
技術開発が当面日本の進む道だというのは分かるけれど。
みんなが幸せになるためにはいい技術なら使ってもらえばいいわけでしょう。
医療の世界でも薬品には特許があるけれど
治療法や診断法には特許がない。
名誉があるだけ。それでいいように思う。
考えるのが仕事、だから報酬。それがはたして正しいのだろうか。
知識、知恵、技術というものは本来共有されてみんなが幸せになれば
それで開発者も報われるのではないだろうか。
それで大金持ちにならなくても普通に生きていければいいと思う。