その人は言う
隣人愛に駆り立てられる瞬間はある
しかし私はこれはうぬぼれまたは自己愛なのではないかと点検する
賞賛を浴びるために、
あるいは自分が自分を賞賛できるように、
行動しているだけではないかと疑う
隣人にとって何が一番いいことなのか
それはとても難しい
善意を演じている自分という意識がないわけではない
しかしそのことも含めて
すべては隣人の幸福を増しているかどうかだ
しかしそこが難しい
善意を施される側の心理は
単純ではない
結局人間は自分に都合のいいように解釈するものだ
だとすれば各人の利己心の集合が結果として各人の幸福につながっているならば
それでいいではないかとも思えるのだ
すべての自己愛を抑制することと
すべての隣人愛を抑制することとは
関係があるものかどうか
隣人愛は美しい心だ
しかし美しいと思っているのが自分だけだとしたら
ずいぶん滑稽なことでもある
自己満足のために利用されたなどと思われるかもしれない