吉田兼好
初心の人、二つの矢を持つことなかれ
我を知らずして
外を知るということわりあるべからず。
されば己を知るものを知れる人というべし
一事を必ずなさんと思はば、
他の事の破るるをもいたむべからず。
人の嘲りをも恥ずべからず。
万事にかへずしては、
一の大事成るべからず
『徒然草』
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現代では本職で食えなくなった人が
解説する側に廻り大声で何か言って儲けていることがしばしばある
害悪も大きい
難しい事情を簡略化したり
誰かの依頼を受けて事実を歪めたり
生活のためなら何でもする
そのうち何でもしてしまう人々の集まりができて
内輪褒めが始まり
正しい意見を封殺してしまう
しかしその人たちを非難することもできず
たぶん立場が違えば私もそのようにしたかもしれないと
悲しい気持ちで見つめている