英国の著名な精神科医が9日、統合失調症の英語名「schizophrenia」が、病状を適切に表しておらず、科学的に不正確だとして、名称の変更を訴えた。日本では2002年に、「精神分裂病」の呼称が、社会的にも医学的にも不適切だとして、日本精神神経学会が「統合失調症」へ変更している。
英語の「schizophrenia」は、ラテン語の「Skhizo(分裂)」と「Phren(心)」を合成したもので、日本語訳の「精神分裂病」の元となった。
英セントラル・イングランド大学のマリウス・ローム客員教授や、マンチェスター大学のリチャード・ベントールらは、「schizophrenia」が、脳の疾病による様々な異なる症状を、同じ名前の元にひとくくりしてしまい、医学的に不適切で、社会的な問題を引き起こす可能性があると指摘した。
他の専門家も、名称の変更に動いている。マンチェスター大学のポール・ハマースレー氏は、「Schizophrenia(精神分裂病)名の撲滅キャンペーン(CASL)」を立ち上げ、運動を開始。多くの医師や研究者が同調している。
ハマースレー氏は代わりの名前として、統合失調症の原因としてドーパミンの調節異常が考えられることから、「ドーパミン異常調節症」を挙げた。
英米における統合失調症の発症率は、人口の約1%と低くはない。名称の変更を訴える専門家は、治療にあたる医師や周囲の人々の偏見をなくすことが必要だと指摘している。
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大昔の人たちからみれば、統合失調症の症状が心の病であると断定するのはしょうがないことです。脳と精神の関連が把握されていない時代ですから。しかし今では統合失調症も、ある程度解明され、別に心が分裂しているわけでもないということが分かりました。
だから、誤った名前を変えるのは至極正常なことですよね。決して言葉狩りなどではなく。とにかくヨーロッパ圏にもアジア圏にも言えることですが、統合失調症は人口の1%に必ず起こる病気なんだってことを認識してもらいたいです。思春期を過ぎた人なら誰でもなりうる病気なんですから。無用な偏見は捨てましょう。