マスとしての人間

集団を相手にして仕事をしてみると何となく
人間に対しての認識が変化すると思う

たとえば学校の先生、
集団療法を実施している作業療法士。

先日ホテルで見かけたのは
何かの集会のあと、退場する一群の人々。

普段なら日比谷や新橋をうろうろすることはないような人たちだ。
堅実でまじめで節約家で信心深くて約束は守り時間に厳格、
そんな人たちだと思う。
平均年齢は40-60歳くらい。

自分が普段「普通」と認識としている人間の集団がたぶん偏ったものなのだと感じた。

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人間を集団として扱うことが習慣になるとなにか独特の割り切りというか
傾向が出てきそうな気がする。
うまく表現できないけれど。
マスとしてみる習慣というのか。

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たとえば離れ瞽女(ごぜ)おりんの話だと
盲目の女旅芸人をごぜと呼び、
そのような、一般大衆から見れば、特殊といわれている人々で、
それなりに連帯しているのであるが、
集団の力学はあるもので、
そうした、社会から隔離された集団の中で、さらに隔離される人が出てきて、
それを離れごぜと呼ぶのだそうだ。

そういう人も必然的に存在するだろうと思う。