依存中毒嗜癖についていえば、
楽しいこと、快楽のすべては嗜癖に移行する可能性がある。
人間の進化の過程で古いタイプの快楽には自然のストッパーがある。
筋肉は神経よりも早く疲労する。
性的快楽についても、筋肉が収縮していったんピークを迎えると、
そこでひと区切りつく。
食べることといっても、食料が無限にあったわけではない。昔の環境では
たくさん食べたら多分おなかを壊していたはずだ。
そんなわけで、快楽には自然に限界が設定されていた。
最近の新しい生活様式に伴う快楽は、おおむねすべて、嗜癖に移行する可能性がある。
筋肉活動を伴わない快感の形式は危ないはずだ。
たぶん、ロールプレイイングゲームでは嗜癖がいくらでも起こるが、
Wii Fit では嗜癖は起こりにくい。
Wii music も嗜癖は起こりにくいのではないか。
神経を直接刺激されて、神経だけが興奮して快楽を感じる、こうしたタイプのものが
嗜癖に移行しやすい。
たとえばワーカホリックという場合でも、筋肉労働者はそうなりにくい。
頭で考えているだけの人たちはなりやすい。
ネットというものは脳とネットが直結しているようなもので、
神経が疲れて睡眠を欲するのでなければ、
やはり休憩を入れにくいし、
基本的に興奮が持続するから嗜癖になりやすい。
人間の体で、筋肉が嗜癖のストッパーであったように、
コンピュータという「筋肉の代理」にも疲労のインデックスを付けて、
一定時間一定出力で活動したら
休むようにしてもらえばずいぶん違うと思うのだが、
休まないコンピュータに改造するサイトが流行するのだろうか。