分析の途中で主訴が変化する。
強迫症状に悩んでいた患者が、途中から、対人関係のあり方に悩むようになる。
主訴が変化したらそのことを確認しておく。
それまでは自我親和的であったものが自我異和的なものになるから、新しい症状になる。
無自覚的、無意識的であったものが、主訴になる。
狭義の症状から、対人関係の質の問題になってくる。
その変化はまず治療者との関係の中に現れる。
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対人関係のあり方で悩んでいるということは、
もっといい関係があると信じているまたは夢想しているまたは幻想しているということで、
いいことでもあり、悪いことでもある。
運がよければ、理想的な関係にめぐり合えるし、
運が悪ければ、幻滅ばかりが続く。
幻滅するくらいなら現実的な考えに切り替えたほうがいいと思うか、
傷ついても、求め続けるか、
それは選択だ。
現実は、たいてい、幻滅ばかりが続く。
いい方に解釈してあげたい。
どうせ苦しいばかりの人生なのだから。