統合失調症のニューロン新生障害仮説-7

●チェルノブイリの原発事故と統合失調症
●齧歯類を用いた基礎研究から、ニューロン新生が脳の高次機能に深く関わることが明らかになりつつある。

●1986年のチェルノブイリの原発事故4年後から、被爆者における統合失調症発症が一般人の約5倍に上ったことが
報告されている。

●これは、全身的に浴びたあまり高レベルではない放射能によって、細胞増殖時にDNAが損傷を受け、
脳においてはニューロン新生が一時的に低下したことと関係づけられる可能性がある。

●長崎の原爆投下後にも疫学調査がなされているが、統合失調症との関係は報告されていない。

●より高レベルの放射能は他の臓器への影響の方が大きかったからかもしれない。

○チェルノブイリの原発事故と統合失調症の関連については、メカニズムが明らかになったわけではないので、
一般的なストレス反応の一種として解釈できる可能性はまだ大きい。
PTSDとして解釈するか、統合失調症のトリガーとなったかについても議論が分かれるだろう。

○ニューロン新生の障害とすれば、高齢になるにしたがって発症率が上昇しそうな気もする。