「アンデルセン、福祉を語る」

「アンデルセン、福祉を語る」について
朝日の書評から

・子どもの認知能力は小学校入学以前でかなり決定される。
家にある本の冊数と関係している。
したがって小学校よりも早い時期から公的対応をして、分化資本の不平等を是正する。
そのことが社会全体の生産性を高める。

○そんなものかねえ。
本を見ていても、近所の子とチャンバラしていてもいいと思う。
それで将来成績が悪くて頭が悪いと言われても、それがどうかしましたか?
生産性が低いといっても、食べて行かれればそれでいいではないか。
単純肉体労働者というものが悪いのでもない。必要である。
それを生かす社会を作ればいいだけの話だ。そこが難しいのだけれど。

・フランスでは管理職男性は工場労働者男性よりも5年長生きする。
したがって、年金、医療、介護の給付が管理職男性に手厚い。
これは不平等なので平均寿命を考えて累進課税にして、平等を確保せよという。

○なるほど。そうかもしれない。しかしあれこれ屁理屈もつけられる。
長生きするから税金を取ると言われてもねえ。

・デンマークとアメリカを比較する。
公的社会保障費の支出はデンマークが大きいが、保育、医療に関する私的な支出を含めると、差がなくなる。
ならば市場より政府による対応のほうが平等の点でも効率性の点でも優れている。

○新自由主義とは反対の考え方になる。
政府はそれほど賢くないというのが日本に住んでいる印象であるがどうだろうか。
私的保育も私的医療もひどい面もあるので困ったことだけれど。
どうやってやる気を維持するかが問題だと思う。
そのために市場が役立つという考えもあるが、
市場システム以外の部分でやる気が維持できればなおよいし、必要だと思う。
でもそれが難しい。