毒をもって毒を制する

毒をもって毒を制する
原理があり、
古く西洋ではホメオパチーと言う。
同毒療法。
一般にはよく理解されないし、
患者さんによっては、
わたしはめまいがするのだから、めまいを止める薬を出して欲しいのだと
素直に考えている。
それは素直でいいのだが、
わざとめまいをひきおこす物質を少量使うことで、
めまいを止めるという不思議な技もあり、
しかし高度ではあり、いまどきの患者さんは「自分で理解したい」ので、
「理解しがたい技」はなかなか使えない。
全部任せてもらえれば、
いろいろとできるのだけれど、そんな時代でもないようだ。
むしろ、標準検査による疾患の確定、その後は学会標準治療による対応、
それが求められているようで、医者の腕も、標準が求められているだけのようだ。
そもそも保健医療では、標準的治療しかないのだ。
スーパーでも、青山や高輪や広尾のスーパーは高いのだけれど、
お医者さんは青山でも銀座でも値段が同じである。
それならば、土地が安い地方で経営した方がいいに決まっているのだ。
地方のお医者さんはみんなお金持ちではないか。

毒をもって毒を制する
の話に戻ると、
ある学会で、激しい「毒」をはく先生がいて、その日も盛んに吐いていた。
みんな気絶しそうになっていたのだが、
そこに、さらに「猛毒」の先生が登場して、
どうなることかと思ったところ、
不思議におだやかに収まったのだ。
先輩が言うには、これこそ「毒をもって毒を制する」であり、
「あのくらいの猛毒でないと無理だった」とのことだった。
同毒療法は生きている。

「毒食わば皿まで」というのもあり、考えると深い。