2009-02

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切るに切られぬ 此糸が

縁でこそあれ 末かけて約束かため 落ちついた大事な男は 他所の花女心に 口説かれて切るに切られぬ 此糸が義理ゆえ細る 仇名草
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出船 入船 屋形船 玉屋がとりもつ 縁かいな

夏のすずみは 両国の出船 入船 屋形船あがる流星 星くだり玉屋がとりもつ 縁かいな
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酒の機嫌の爪弾きは 好いた同士の差し向かい

初雪に 降りこめられて向島二人が仲に置炬燵酒の機嫌の爪弾きは 好いた同士の差し向かい嘘が浮世か浮世が実か誠比べの胸と胸
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何故に吹いたか 夕べの嵐

春風さんや 主の情けで咲いたじゃないか何故に吹いたか 夕べの嵐
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あても無ければ 金も無し

破れ障子に破れ傘コレサ 雨漏る月が漏るしょんがいな しょんがいな破れかぶれの新所帯あても無ければ 金も無し切れる気も無ししょんがいな しょんがいな しょんがいな
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はかない縁(えにし)の 糸車

義理と人情に 絡まれてはかない縁(えにし)の 糸車たとえこのまま 切れたとて紡いでみせましょ 恋の糸愚痴と未練の えー茶碗酒
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あの日から 噂も聞かず 丸三月

あの日から 噂も聞かず 丸三月出会い頭は 忍ばずの蓮もすがれた かたかげり逢えてどうなるもので無しあたしもこんなに痩せました義理の枷
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峠々のその又先に 峠があるので面白い

峠々のその又先に 峠があるので面白い赤にしようか 白にしようか峠々で摘む花の どれも良いやさ唄でやる浮世気ままな恋の旅
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一人寝の更けて寝ぬ身ぞやるせなや

木枯らしの吹く夜はものを思うかな涙の露の菊襲(きくがさね)重ぬる夜着も一人寝の更けて寝ぬ身ぞやるせなや
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梅雨の晴れ間の 青葉風

梅雨の晴れ間の 青葉風 振るる音も良き 風鈴に偲ぶの色も軒深く「金魚 金魚 めだか 金魚」それと心も 飛び石に 庭下駄軽く 木戸の音行き来の人も すがすがと染め浴衣