ドーパミンとセロトニンのケミストリー

モノアミン神経伝達物質(-しんけいでんたつぶっしつ、monoamine neurotransmitter)はアミノ基を一個だけ含む神経伝達物質または神経修飾物質の総称である。セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミンなどが含まれる。このうちノルアドレナリン、アドレナリン、ドーパミンはカテコール基をもつためカテコールアミンと呼ばれる。
DOPAmin.gifドーパミン。これから代謝されて、→ノルアドレナリン→アドレナリンという経路になる。(カテコールアミン)

seroton.gifセロトニン。これはトリプトファンから代謝される。(インドールアミン)

histamin.gifヒスタミン。痒みになる。抗ヒスタミン剤はかゆみ止め、昔の抗アレルギー剤、また眠くなるので睡眠の補助。

モノアミンとは、芳香族アミノ酸から代謝されるアミンのことで脳内では神経伝達物質として働く、ドーパミン、ノルアドレナリン、それからセロトニンがあります。
モノアミンは二種類あって、チロシンから代謝されるカテコールアミンあるいはカテコラミンとインドール環をもったアミノ酸であるトリプトファンから代謝されるインドールアミンがあります。前者に属するのがノルアドレナリンとドーパミンで、後者に属するのがセロトニンです。
イプロナイアジドによる結核患者の治療中、副作用として不眠や異常興奮が起こることから、本薬を抑うつ性精神病の治療に用いて著効を示すことが分かった。同時に中枢神経系の機能に重大な役割を果たすセロトニンやカテコールアミンの代謝に関与するMAOの活性を阻害することがも分かった。
そして、MAO阻害による生体アミン(アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミン、セロトニンなど)の脳内含有量増加と中枢興奮薬との関係が調べられた結果、抗ウツ剤として使われるようになった
◎MAO阻害剤は、3種類の生物起源のアミン、すなわちノルアドレナリン、ドーパミンおよび5-HTならびに他のフェニルエチルアミン類の酸化的脱アミノ化を阻害する
◎MAO阻害剤は正常な気分に対してはほとんど影響を及ぼさない。
◎消化管から吸収されやすく、2~3日で血中濃度は最高になる。
製剤 1.「フェネルジン」
2.「トラニルシプロミン」
3.「イソカルボキサジド」
塩酸セレギリン(選択的MAO-B阻害剤)がある。
ウツ病 ノルアドレナリンやセロトニンが足りないとウツ病になる(モノアミン理論)。
ウツ症状を改善するためにMAO阻害剤(MAOI)が使われる。
非定型うつ病に対しても使われる。
注意 MAO阻害剤を服用している人は、以下のものを食べたり飲んだりしてはいけない。
1.チーズ
2.ワイン
3.ビール
4.コーヒー
5.レバー
6.レーズン
7.酵母製剤
以上のものには『チラミン』という物質が含まれているからです。チラミンは、アミノ酸のチロシンが脱炭酸酵素によって二酸化炭素が抜け落ちて出来る。ノリアドレナリンによく似た物質です。
ノリアドレナリンやアドレナリンの量はMAOによってコントロールされている。ところが、MAO阻害剤を服用すると、MAOの働きが著しく抑えられる。そこへチーズなどをたくさん食べると、チラミンが大量に供給される。そうなると、脳に入ったチラミンはMAOに分解されること無く神経細胞に取り込まれる。そして、ノルアドレナリンの入っている小包を刺激するので、ノリアドレナリンが神経末端から放出される。そうすると、交感神経が異常に興奮する。このため、血圧が急激に上昇するので、脳卒中の危険性が高まることになります(=高血圧クライシスと呼ばれています)。