双極性と単極性

双極性障害つまり躁うつ病と単極性障害つまりうつ病の関係はどうなのかとの議論は
昔からある。

遺伝関係などから
双極性障害とうつ病は別でしょうとの見解もある。

双極性障害が典型的で何かの理由で躁状態がないものがうつ病であるという見解も有力である。

躁状態を躁状態と軽躁状態とに分けて、
それに大うつ病が見られれば、それぞれBPⅠ、BPⅡと呼ぶわけだが、
躁状態と軽躁状態はデジタルに区別できるものではない
量子状態のように連続なくジャンプするものではない
連続している
ついでに正常状態とも連続している

さらにその延長で
躁状態を反転させたものがうつ状態かという点については議論がある

うつ病はセロトニンに関係しているらしいというのだが
躁状態について、セロトニンがあふれている状態なのでセロトニンブロッカーを使えばいいかといえば、
現状ではドーパミンブロッカーの方がブレーキがよくきくのであって、
セロトニンブロッカーを売り物にしている薬は見あたらないようだ。

つまり、たとえていえば、つまみが一つだけあって、
それを+の側に大きく回すと躁状態、小さく回すと軽躁状態、
-の側に大きく回すと大うつで、小さく回すと小うつという関係ではないかもしれないということだ。

つまみは二つあって、
うつつまみと躁つまみで、
それぞれをどの程度に変化させるかで病状が決まるのかもしれない。
最近ではノルアドレナリンつまみとドーパミンつまみも多分関係しているといわれている。

もちろん経過の中で躁とうつが入れ替わったり、混じり合ったりするものであって、
常に深く関係していることは確かだけれど、
磁石のNSの様なものなのか、吟味が必要だ。

躁状態、軽躁状態と大うつ、小うつを組み合わせて病型をたてるのは何だか頭が悪い。
混ぜ具合はいろいろとあるからだ。
また時間的な変化にも着目すれば、さらにいろいろなパターンが生じる。

軽躁状態→大うつ→しばらく正常→躁状態→小うつで3年間 などという経過だと、
部分的に経過を聞き漏らせば診断が変わってしまう。
そんなのが診断なのか?

大うつとか軽躁状態とかも曖昧なもので
たとえば呼吸器で一晩に咳を5回以上したか、4回以内かとか、
血痰があったとして、それは4ミリリットル以上か以内かとか、
あまり病理そのものに肉薄しているとは思えない。

機能変化を裏付ける形態変化を発見したい、
その欲求が医学を推進している。