「貧しい人には全世帯に渡すが、私はそんな金をもらいたくない、という人はもらわなきゃいい。
(年収が)1億円あっても、さもしく1万2000円が欲しいという人もいるかもしれない」
「矜持(きょうじ)の問題だ」
というのが麻生総理大臣が、自分がこれからやろうとしている、定額給付金についての、
はじめの頃の発言である。
何重にも面白い発言で
味わい深いのであるが、
一面だけ取り上げると、
年収が100万円の人にとっての12000円は
年収1億円の人にとっての120万円になる。
年収1億円の人にとっての12000円は
年収100万円の人にとっての120円になる。
年収100万円の人が12000円もらうのはいいけれど120円もらうのはさもしい。
年収1億円の人が12000円もらうのはさもしいけれど120万円もらうのはいい。
「さもしい」という日本語も少し珍しいものではある。
どのような言語生活をしているのだろうか。
少なくとも高級な読書人ではない。
専門書を買うと12000円くらいはすぐになくなる。
寄付をするという人もいるけれど、
そうではなくて、市中にお金を流して消費活動を活発にしたいわけだから。
お金がぐるぐる回るようにしたいわけだから。
孫は小遣いをねだるだろうな、
でもそれはすぐに携帯会社に吸い上げられるだろうな。