セロトニン系と認知 陰性認知抑制説

セロトニン系はうつや不安に関係しているのだと公式のように言われているのだが
一方で
SSRIが海馬の神経新生や認知機能を増強するとの報告があり、
それならば認知症においてセロトニンをコントロールするのは意味があるのかと考えられて
トライアルが続いている。

報告では
ヒトにおいてセロトニン神経伝達の促進が認知機能を増強するという報告が多い。
はっきりしたメカニズムはもちろんまだ報告されていない。
解釈はいくつかある。

一般的に言う神経保護作用は確かにあるように思う。

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SSRIは感情に効果を現すのではなくて、
実はSSRIは認知を変更する薬なのだという説もある。

具体的には「SSRIは陰性認知を抑制する」という説であり、
ということは、SSRIを飲むということは強力な認知療法であるということになる。

この説だとSSRIは少量では陰性認知を抑制し、
大量では陰性認知とともに陽性認知も抑制してしまい、
とにかく全般的にどうでもよくなって、何も気にならなくなるのだと言われている。
SSRIが過量かどうかは微妙な問題で
通常標準量まで使うと陽性認知まで抑制する過量使用になるとの議論がある。

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普通に考えれば、
陰性認知とか陽性認知とか言っても、
ある認知が陰性なのか陽性なのかとかそんなことは個人によってまた状況によってかなり異なるだろうと想像される。

薬が陽性認知と陰性認知を区別してそれぞれに抑制したりするなんていうことがあるものかとも思うが
しかしメカニズムは考えられないでもなくて
いろいろと可能性はある。