風流と風情

日本文芸史  小西 甚一 によれば

中世文藝の世界

享受者がまた表現者にもなる、表現者と享受者の同圏性こそ、第一藝術の基本条件であった。この意識は、明らかにシナから渡来した外来種である。
中世第一期の理念「風流」は、琴・詩・酒・妓の四者で代表される現世の愉しみを理想化した道教パラダイスから来た。それを日本化したのが「みやび」であり、その美しさを言い表わすのが「艶」にほかならない。
のだそうです。

風流とは、わび・さびの対極にあるもので、
豪華で人目を驚かすもの。

余韻があるとか、かすかな情緒とか、そんなものではないという。こちらは風情。
ものが古びていって、はかなく、質素に、うつろになること。