吉野源三郎「君たちはどう生きるか」不思議な偶然

その日わたしたちは
吉野源三郎「君たちはどう生きるか」の話をして
自分たちの孫の世代には
やはり真実伝えたい大切な言葉を残してやりたいと語ったものです

科学技術と違い人間は生き方に関してはいつも一から繰り返すしかないわけです
恋とか親子の愛情とか友情とか
特に日本のように宗教的なガイダンスのない国では
キリスト教国ともイスラム教国とも違うメッセージが必要でしょう

そんな話などをして
帰り際に新橋SL広場を通りかかると古本祭りが開かれていました
毎年のように雨に降られて本がだめになってしまう悲しい古本祭りなのです

その中に偶然にもその本、吉野源三郎「君たちはどう生きるか」を見つけたのでした
家のどこかにあると思うけれど、どうせ段ボール箱の奥にあると思うので、
会社に一冊おいてもいいと思い、
他の本と一緒に買っておきました

家に帰ってリビングの机の上に置いたら
パートナーがそれを見つけて叫びました

実はこの本は長年探していた本だというのです
子どもの頃から何度も読み
読書感想文なども書いた本で
自分の本箱のどこかにあるはずだと思い
その本を子どもにあげたいと思ってずっと探していて
いままで見つからなかった

子どもたちは図書館の本で読んでいたから
特に買う必要はなかったけれど
それにしても
あなたとはこの本のことなんか話したことはないし
あなたはこんな子どもの本なんかには興味はないと思っていた

それをあなたが自分で読むために買ってくるなんて!

やっぱり私たちは夫婦なんだと私たちは納得して夕食にしたのでした。
納豆キムチスパゲッティというちょっと手抜きの美味しいメニューでした。