ホテルの部屋で横になる
体が芯からほどけていく感じになるのはどうしてなのだろう
不思議だ
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念のために
ベッドの構造を点検してみた
家にあるベッドの方が多分高級品である
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思い出すのは
鎌倉まで遊びに行って
ついでだから泊まっていこうと言い出し
その日泊まれる近所のホテルを探して
宿泊したときのことだった
日興パレスホテルという名前だったが知らないホテルだった
その頃は音羽の森ホテルが普段使う一番すてきな湘南エリアのホテルだった
鎌倉プリンスホテルもなかった時代である
和風ではかいひん荘があった
部屋ごとに二人で入れる風呂がついている
夕食は普通だけれど
朝食がとても美味しかったことを覚えている
そういえば
音羽の森ホテルも
朝食を朝の海を眺めながら食べるのはとてもよかった
かいひん荘の朝食がよかったので帰りがけに鎌倉の紀ノ国屋で
朝食用のふりかけを買った覚えがある
そんな中で
なぜか日興パレスホテルのベッドが最高によかったことを記憶している
当時はシティホテルと言っても帝国ホテルとかニューオータニとかそんなホテルで、
寝心地がいいホテルとは言いがたいものだった
歩いて疲れたのか
その頃いろいろあって疲れていたのか
あるいは他の何かの理由があったのか
よく分からない
特に有名でもないそのホテルのそのベッドの寝心地が
いまでも体のどこかにあるように思う
体の芯に固く巻き付いていたものがゆるゆるとほどけていくような感覚
麩をお吸い物に入れると
ゆるゆるとほどけていく感覚
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京都のウェスティン都ホテルは
要するに都ホテルなので
東京の恵比寿のウェスティンほどのグレードではないようだ
わたしには東京のウェスティンよりも京都のウェスティン、つまり都ホテルの方が
なじむ感じはするけれど
東京の白金の都ホテルはシェラトン都ホテルと名前が変わって数年になる
中身は変わらない
レストランも安いし気軽にいけるホテルである
シェラトンという雰囲気ではない