二人で庭をつくる

わたしは妻を愛しているが

妻には振られたままで

もう不在が二年になる

ただの一言もない

はじめは諦念と忍耐と待ち続けることと思っていたが

最近は自責が強い

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たとえば庭を手入れして徐々に変化して行く様子を見る

ターシャ・チューダーほどにはできないが

あの樹は何年前に誰がどうしたものだとか

そんな話ができるくらいに年月を深めていく

そのために庭というものはいいのではないかと思い始めている

故郷の庭にある栗の木と柿の木を思い浮かべている

庭に咲いた花をリビングに飾るなどしてみたいことだ

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しかし実に徹底した人だと思う

どうすればいいか途方に暮れる