最後の嘘 松任谷由実

http://www.youtube.com/watch?v=dzmhZG-M2yA


君のことなんかすぐに忘れてしまえるよ

思い出はもう遠い
日に焼けた壁みたいに

愛は流れ去る
砂みたいに

君が嫌いになった

もうすべてが変わったんだ

昔のように貧乏な僕じゃない
昔のように青春の理想を追いかける僕じゃない
昔のように君だけを愛し続ける僕じゃない

君とはたくさんのことを共有した
かけがえのないことであるとは思うが
しかしそれは過去のことだ

わたしは未来をフリーハンドにしておきたい
それだけのことだ

君と分かち合うのは思い出だけでいい

わたしはボールを後ろに蹴らない主義だ

感傷とも無縁だ

いま克服すべき課題があり
それだけで忙しい

むろんすべての過去はわたしの土台として役立っている
それはそうだがわたしはそれをそれ自体で眺め回し慈しむつもりもない

明日はもっといい人生がありもっと美味しいワインを飲んでいると信じる

あるいはあの日のいいワインよりも
今日のつまらないワインを
言葉の魔法で意識の策略で最高のワインに変えていく
それがわたしが人生から学んだことだ

いま目の前にあるワインに
最高の意味づけをしたいのだ

そのための言葉だし知能だし感性である

カボチャを馬車に変えてしまう
今日のカボチャは昨日の美しい思い出よりもわたしにとっては興味深い