ソニー「世界遺産」で、メキシコの建築家、
ルイス・バラガンを紹介。
朝早く起きて、修道士のように暮らし、
読書と瞑想に時間を費やした。
沈黙の思想家。
人間には静けさが必要だ。
孤独だけが友である。
孤独になった時はじめて人は自分自身に出会う。
単純な線で空間を仕切り、
メキシコ的な色彩を配置する。
窓からは豊かな緑。
水の音で空間を彩る。
ドアはどれも大きい。
ダイニングは常に二つあり、
ひとつは応接用、ひとつは孤独な生活用。
バラガンは生涯独身だった。
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見ていて、鎌倉山の上の方にあったコンクリート造りの家を思い出した。
バラガン邸に少し似ている。
一室の天上にはガラスが張ってあり、夜には星空が見えた。
音楽室があって、完全遮音、反響設計も緻密だった。
別荘としては適していて、人を呼んで相談するにはいい環境だった。
ただ、山と街を往復する必要があり、長く住むには不適切だった。
台所は壁もすべて天然石のむき出しで、ざらざらしていた。
子どもがクレヨンで落書きしたらどうしようかと思ったが、
そんなことにはならなかった。
海と富士山が見えた。