無自覚な幸せ

今から考えれば

あのころはその幸せを充分にありがたいと思うこともなく
無自覚に生きていた
今思い返して
何という幸せだったのかと
痛切に思う
昔のことは記憶の中で脚色しているのかもしれないが
それでもやはりそう思う
極端に言うならば
五体満足と言うだけで
ずいぶんな幸せのはず
というのにも似ている
特別な幸せではなかったけれど
私の人生の中では貴重な時期だった
なくしてから分かるというのも
よくあることだ