アレルギー性鼻炎が性生活に悪影響を及ぼす

アレルギー性鼻炎が性生活に悪影響を及ぼす
アレルギー性鼻炎のある人の83%が鼻炎によって性生活に影響が及ぶことがあると感じており、そのうち18%は、ほぼ常に鼻炎が満足のいく性生活の障害となっていることが、新しい調査により判明した。
研究著者である米クリーブランドクリニック(オハイオ州)頭頸部研究所のMichael Benninger博士によると、これまでアレルギーによる性生活への影響についてはほとんど研究されていなかったという。アレルギー性鼻炎は花粉症とも呼ばれ、米国人口の10~40%が罹患している。鼻水、うっ血、副鼻腔の圧迫感などの症状があり、花粉やイエダニなどのアレルゲンに反応して起こる。
医学誌「Allergy and Asthma Proceedings(アレルギー・喘息紀要)」7/8月号に掲載された今回の研究では、約700人(約半数がアレルギー性鼻炎)を対象に、性的機能、睡眠および疲労感について質問した。被験者は30代後半から40代半ばで、アレルギー性鼻炎の治療は受けていなかった。鼻炎のある人の約17%が、常に、またはほぼ常に、性生活に影響があると回答したのに対して、アレルギーのない人で性生活が良好ではないとしたのはわずか5%であった。アレルギーが性生活に影響する理由は不明だが、Benninger氏は鼻水や目のかゆみがあると性的な感覚が減じるのではと推察している。アレルギー性鼻炎のある人は睡眠障害の比率が高いこともわかった。
しかし、この症状は治療が可能であると著者らは強調している。市販の鼻スプレーから、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬まで選択肢は幅広い。また、アレルギーの引き金となるものに注意すること、例えば寝室の窓を閉め花粉量を少なくすることなども有効だという。この知見をきっかけに、アレルギー患者に性生活を犠牲にする必要はないことに気づいてほしいと、専門家らは述べている。