あと幾たびの秋を

2008年、秋を迎え
世情は全く落ち着かない
こんなとき意見を聞かせて欲しい人たちはみんなあの世である

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防衛装備品の調達をめぐる汚職事件で、収賄と議院証言法違反(偽証)の罪に問われた前防衛事務次官の守屋武昌被告(64)に対し、東京地裁の植村稔裁判長は5日、懲役2年6カ月、追徴金約1250万円(求刑懲役3年6カ月、追徴金約1250万円)の実刑判決を言い渡した。判決は起訴事実をすべて認め、「収賄の期間、回数、金額なども甚だ悪質で、防衛行政や国家公務員に対する国民の信頼を著しく傷つけた」として実刑が相当とした。前次官側は即日控訴した。 戦後の汚職事件で事務次官経験者への実刑判決は、岡光序治(のぶはる)・元厚生事務次官に続いて2人目。

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航空自衛隊の田母神(たもがみ)俊雄・前幕僚長が戦時中の日本の侵略を正当化する懸賞論文を投稿して更迭された問題

ざっと振り返るとこんなふうだ。

不動産関連企業アパグループは10月31日今年5月10日から「『真の近現代史観』懸賞論文」の募集を行い、渡部昇一氏を審査委員長として230通超の応募作を審査の結果、田母神俊雄氏(60 航空幕僚長)の「日本は侵略国家であったのか」を「最優秀藤誠志賞」に選出、懸賞金300万円と副賞として全国アパホテル巡りご招待券を授与すると発表。

主催者のホームページによれば「受賞作品13件をまとめて(中略)表彰式と併せて出版」することになり「受賞作品はすべて英訳され、広く世界に向けて発信してゆく予定」と記されている。

 この「表彰式および記者会見」は「平成20年12月8日」に行う予定とのこと。12月8日、真珠湾攻撃の日に、真珠湾攻撃の参謀で後に特殊奇襲攻撃の発案にも加わった、源田實・帝国海軍大佐=第三代航空幕僚長の後任官である田母神氏が、現役の空幕長として「日本は太平洋戦争に引き込まれた被害者だ」と「論文発表」して「賞」を受ける予定だった。

発表時点ですでに「英訳」が作られており、賞のホームページから「日本語版」と「英語版」がダウンロードできるようになっていた。

今回の「懸賞」は主催者企業が最初からシナリオとスケジュールを書いたものだと思われる。

 田母神氏の「論文」は「我が国が侵略国家だったというのはぬれぎぬだ」として、旧満州・朝鮮半島の植民地化や第2次大戦での日本の役割を正当化し、集団的自衛権の行使を禁じる現行憲法に疑問を呈する、現在の政府見解を否定する内容。

 防衛省詰めの報道各社に報道発表文が配布されたことから事実が明るみに出、政府は事態を重く見て直ちに対策を協議、浜田靖一防衛相は31日夜、田母神氏の更迭を決め、深夜の持ち回り閣議で航空幕僚監部付とする人事が承認。

3日の夕刻、結局「定年退職」という形に落ち着きました。懲戒もなく、役場にとって最も「傷の浅い」収拾策が取られたとのことで、数千万円に及ぶ退職金も支払われるようす。

4日、防衛省は増田次官以下に減給などの処分を下すほか、浜田防衛相も閣僚給与の一割を自主返納、麻生総理も「再発防止」を厳重に指示しましたが、当の田母神氏は3日夜に読み上げた「退職にあたっての所感」の様子を見る限り、反省はなさそうです。

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秋を迎えるたびに
この国の劣化を見せつけられる。
若い人たちは大変だと思う。
何か力になりたいが、うまい考えもない。