共感性

共感性について最近は何度も書いているのだが
共感性があればそれでいいというものでもない

相手の立場や感情が分かるということは大切だけれども
場合によっては、
対立する何人かの考えの間に入ってしまうことが考えられる。

共感性が高いと、
それぞれの考えは理解できる、
なるほど、それで、どう決めましょうかということになる。

実際、本当に困った問題になる。
相手の共感性を引き出すことがまず最初の仕事になる。
道は遠い。

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アフリカの資源を狙って中国が開発を手がけ、
現地の人の言葉によれば、サルトルも話していたフランス語で、
「中国人はパートナーの我々のことを考えない、
環境や未来について考えない」とのことだ。

先進国では環境をビジネスにしようとしているので、
ただ山を切り開いてビルを建てたり資源を掘削すればいいとは考えず、
もう少し複雑に考える。
実はそれはもっとたくさん搾り取ってやろうという高級な話なのかもしれないが、
専門家でない我々にはよく分からない。
しかし我々も考えられる範囲でいえば、
やはり自然は大切だし、
100年や200年後の姿を考えて自然と共生する文明をアフリカでこそ作っていくべきだ。

アメリカ式生活を中国人が目指して、そのためにアフリカ開発の現場までもアメリカ式開発で、
腐らないゴミがたくさん散らばっていて、
自生していないはずの稲が生えているといった無神経さでは、
あまり賢明だとは言えない。

長い将来を考えて今考えられる最良の選択を提案すべきなのに。
それはできるはずなのに。

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いま折しも経済危機でアメリカ式生活やアメリカ式思考、経済、市場、
そういったもの、つまりアメリカ式全般に反省が及んでいて、
いいことだと思う。
世界はグローバルスタンダードに統一されるのではなく、
多様さに寛容になるべきだ。

日本はしばらくアメリカ式の第一の生徒であったが、
そろそろ考え直そう。
駅前留学と称してNovaで「先生」なるものがいいように振る舞い、
「生徒」なるものが様々な意味で人生を狂わされるのはもうやめにした方がいい。
日本は原子力発電を輸出さえしようと準備していると、朝日新聞に書かれていた。
はたしてそのようなことがいいことなのかどうか、
立ち止まって考えてみてはどうだろうか。放射性廃棄物の処理は簡単ではないらしいと聞く。
将来頭のいい人が出て、現在の矛盾も解決してくれるだろうと思うのは
楽天的すぎないか。

しかし現状で、
「強力な別の選択肢」がはっきりと提示されているとも思えない。
そこがもどかしい。
江戸型の自足した生活というのだが、
もっと具体的に描けないかと思う。

そして、もうすでにアメリカ式インセンティブに汚染された人間は仕方ないとして、
アフリカの新しい世代を教育するに当たり、
その新しいビジョンをはっきりと提示したい。

子どもの教科書に書けるくらい、具体的で、易しいビジョン。
何が幸せなのかについてのビジョン。
世界観である。

ヘドロで海を汚し、
ゴミで海を埋め立て、
その上に高層マンションを建てて、
暮らす。

処理しきれない硫化水素は時々匂って人を困らせる。
地震が来れば高層難民。

肩書きで人に優越することが喜びで
自分のことでもないのに自慢して歩いたりする人たち。

借金もたくさん抱えて
しかしそれも将来のインフレが将来の税金を軽くしてくれるだろうという
安易な考え方。

自分たちの社会にそのような人たちが住んでいるのもいいだろう。
多様性に寛容でありたい。
それは基本方針だ。
しかしまた低次元の存在に左右されたくもない。
私たちは私たちで理想を追い求めよう。

理想を易しく具体的に提示して、
こちらの方がいいと思いませんかと長い間訴えていきたい。
ポストアメリカ・オルターナティブ。
アメリカ後の別の選択肢。

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アフリカの人たちがとりあえずほしいものは何かも分かる。
しかし真に大切な道のりがどの方向であるかも分かる。
そのように多層的に理解して共感していきたい。
200年後にはきっと共感してもらえると信じたい。

そんな世界観を描きたい。
その世界観の中で、
建築は、交通は、流通と商売は、金融は、友人とのコミュニティは、子どもの遊び学ぶ場は、
これらについて包括的に回答したいものだ。

私は日本の老人のままで生を終えるだろう。
だからといってアフリカの問題に無関係なはずはない。
私は男だから、女性の自立と育児の問題について、
考えることは考えるが、完全に自分のことにはできない、壁があるとされるだろう
ある決意をしたとしても、いくらでも反論が出るだろう。

人間に、乗り越え慣れない壁はある。
しかしその壁を楽々と乗り越えてしまうのが人間の心でもある。
そのことを信じたい。
まったく人生が交わらないとしてもなお、共感は可能である。

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