勃起不全に局所クリームが有望

勃起不全に局所クリームが有望

勃起不全(ED)に対する局所クリームの有望性が動物実験で示され、錠剤型の薬剤に耐性のない男性の代替となる可能性が、米国の研究者らによって報告された。

ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬と呼ばれる経口勃起不全治療薬は広く使用され有効だが、頭痛や視聴覚障害などの副作用の原因ともなる。また、最近心臓発作を来した人や重度の心疾患患者には使用に注意を要する。新しいクリームは薬剤や一酸化窒素(NO)などの物質を含有し、制御下で持続的に送達可能なナノ粒子から構成される。一酸化窒素は血管を拡張させるシグナリング分子であり、勃起を生じさせる。

米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)生理学・生物物理学・内科教授のJoel M. Friedman博士らは今回、加齢によるEDラット18匹を3群に分け、1群に一酸化窒素を用いたナノ粒子、他の1群にナノ粒子と勃起不全治療薬silorphinシアロルフィン(PDE5阻害薬と異なる作用機序を持つ。日本国内未承認)、残り1群にナノ粒子とPDE5阻害薬タダラフィル(商品名:シアリス)を投与した。

研究の結果、ナノ粒子投与群では7匹中5匹、他の2群では11匹すべてに勃起機能の有意な改善が認められた。Friedman氏は「ナノ粒子に対する応答時間は非常に短く、わずか2,3分である。これは勃起不全治療薬に基本的に期待されることである。経口勃起不全治療薬では30分から1時間かかる場合がある」と述べている。

研究結果は、医学誌「Journal of Sexual Medicine(性医学)」オンライン版に9月18日掲載された。

[2009年9月18日/HealthDayNews]