「秩序を大切にする人」はドラマチックな人生に疲れてしまう

「秩序を大切にする人」はドラマチックな人生に疲れてしまう
 ここでいうスランプとは、「うつ病ほど重症ではないが、少し気分が落ち込んだ精神状態のこと」である。
■完全主義の人は、ちょっとしたミスが引き金になる
※完全主義の人はこんな人…
●うまくできないくらいなら、最初からやらない方がいい。
●自分の弱みを他人には絶対に見せたくない。
●引き受けた以上、どんなことにも全力を尽くすべきだ。
●自分をいつもレベルの高いところに置いていたい。
 几帳面で上昇志向が強く、常に完璧を目指すのが、この「完全主義」タイプである。このタイプの人は、「周囲よりも優位な立場にいたい」と考える傾向が強いせいか、ちょっとしたミスにもダメージを受けやすい。
 例えば、手術や検査における小さなミス。大きなミスは誰でも避けたいし、それで精神的なダメージを受けることもあるだろうが、容易にカバーできる程度の小さなミスや、「すみません」の一言で済むようなミスにも、大きなショックを受けるのが、この完全主義タイプだ。
 特に、自分よりも仕事ができないと思っていた人にミスを指摘されると、大きなダメージになりやすい。自己愛が強く、傷つきやすい性格なのである。
 自分がこのタイプに当てはまると思う人は、ミスをした際に、スポーツなどで気分転換をはかるようにしたい。ミスを一刻も早く忘れてしまうことが大切だからである。もちろん、自分の完璧主義的な気持ちをコントロールして、「だめなときもあるさ」くらいに考えられるようになれば、スランプとは縁のない生活が送れるはずである。
■責任感が強い人は何でも「自分が悪い」と嘆く
※責任感が強い人はこんな人…
●情緒不安定で問題のある子供は、親の育て方に原因があると思う。
●自分が注意した後で相手の元気がないのを見ると、自分の責任だと思う。
●周囲の人が快適に過ごせるように配慮すべきであり、自分もそう心がけている。
●自分に助けを求めてきた人は、必ず助けてあげなければいけない。
 責任感が強いタイプの人は、周囲に対して攻撃的な態度をとらない代わりに、何かと自分を責めていることが多い。何かトラブルが持ち上がった際、相手を非難する前に、「自分に落ち度があったのではないか」と考えてしまうのである。
 医師の場合でいうと、手術のようなチームプレーの際にも、何らかのトラブルがあった時に、それを「自分のミス」と思ってしまう。周囲には、いわゆる「できた人」「周りに配慮できる人」として映る場合が多いだろう。
 このタイプの人は、ちょっとしたトラブルで自分を責めてしまい、そのたびに落ち込んでしまう。そんなスランプを回避するには、トラブルが起こった際に、冷静に状況を判断するように心がけることが大切である。パニックにならずに客観的に判断すれば、決して自分にだけ非があるわけではないと分かるはずだからである。
■秩序を大切にする人はドラマチックな人生に疲れてしまう
※秩序を大切にする人はこんな人…
●住み慣れた環境から離れるのは嫌だ。
●変化に富んだ人生は、大変だと思う。
●決められたレールを踏み外すことなく、生きていきたい。
●年功序列や終身雇用制度はあった方がいいと思う。
 秩序を大切にするタイプの人は、自分の生活に変化が起こることを嫌う。自分で何かを考え、新しいことに挑むよりも、慣習や慣例にそって行動するほうが安心だと思っている。「前例がないから」とか、「過去の例に照らし合わせて」などと発言しがちな、いわゆる「官僚タイプ」である。
 このタイプの人にとって、波乱万丈の人生を生きることなど到底考えられない。にもかかわらず、やむを得ず引っ越しをしたり、思いもかけない配置転換や転勤に遭遇すると、それが原因でスランプに落ち込んでしまうのである。
 こういう人は、環境が変わることに過度の緊張してしまうが、そうした反応が自分自身における「過剰適応」にすぎないことを理解しておくとよい(関連記事)。
 さらに、環境の変化がある時期に、プライベートで継続的に趣味などを続けておく。例えば、3月末で転勤するのであれば、3月の終わりに釣りに行き、4月に入っても釣りに行く。趣味での連続性をキープすることで、仕事での環境変化によるダメージをカバーするという方法である。