緑のシロクマ 原因は藻、毛内部に入り増殖…岡山理大教授ら解明
シロクマが、ミドリグマに?――名古屋市の東山動植物園にいるホッキョクグマの体毛が昨年、半年間にわたって緑色になった。岡山理科大の福田勝洋教授(動物形態学)らが原因を調べたところ、体毛の表面に微小な穴が多数開き、藻が入って増殖していたことがわかった。国内外の動物園でも過去に数件、同様のケースが報告されており、同教授は「研究成果を飼育方法に生かしたい」としている。
同園などによると、昨年7月から12月にかけ、オスとメスのホッキョクグマ2頭のほぼ全身が濃い緑になった。何度洗っても落ちず、市は対策研究会を発足、福田教授らが調査していた。
ホッキョクグマの体毛は無色透明だが、ストローのような特殊な構造で、光が散乱して白く見える。当初は、地面に体をこすって傷んだ毛に、施設内のプールで、夏場に増えた藻が入り込んだと考えられた。しかし、通常は藻が多少繁殖しても毛は染まらず、なぜ変色したのか謎だった。
福田教授は、別の動物園のクマの体毛なども採取し、電子顕微鏡で比較。今回の2頭の体毛表面に、直径100分の1ミリほどの多くの穴が見つかり、そこから「藍藻(らんそう)」が入って増殖していることを突き止めた。藍藻に穴を開ける能力はないことも判明。「穴を開ける微生物と共存している可能性が高い」とし、今後、微生物の特定を進める。
(2009年10月17日 読売新聞)
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胃潰瘍がピロリと関係していたとかの例もあるので
未知の微生物がまだ解明されていない病気と関係している可能性は大いにある