調べてみるとこんな感じ。まず正社員。
収入
初任給(高卒)月収15万~18万円
(大卒)月収17万~19万円
待遇
- 社会保険完備(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)
- 有給休暇 ※医療機関の規定による
- 昇給 あり
- 賞与(ボーナス)あり※医療機関の規定による
- 交通費 全額支給
- 残業代 支給
- 各種資格手当て ※医療機関の規定による
休日
一般的に、大規模の医療機関では1ヶ月に6日休みが取れる4週6休体制をとっています。毎週日曜日は定休で、あと2日を隔週でどこかの曜日に他のスタッフと相談して休みを取るなどして調整します。
また小規模の診療所などは休診日が毎週日曜日や水曜日および祝祭日などと決まっていて、医療事務スタッフのお休みも診療所の休診日というように決まっているところが多いようです。
勤務時間
医療機関の外来受付が始まるのは通常朝8時半から9時で、医療事務員はその30分前には業務を開始するのが一般的です。大規模な病院ですと朝早くから患者さんが並んでいることも多いので遅刻は厳禁です。一般事務と比べると多少早起きが必要ですね。
終業時間は医療機関の診察時間によって異なるため一概には言えませんが、特に忙しい月末月初のレセプト時期は残業になることは覚悟しておいた方が良いでしょう。平均的な1日の勤務時間としては7.5~8時間労働となります。
まとめ
医療事務の収入は、医療という専門的な分野の知識も必要なため一般事務よりお給料も高いと思われがちですが、実際のところどうなのでしょうか?気になるところですよね?
雇用形態や勤務地、経験年数などによって多少異なりますが、一般的な事務職とだいたい同じぐらいの収入となるようです。
正社員の初任給は高卒か大卒かで差がありますが、学歴よりも経験が重要とされる仕事ですので、年数を重ねていき経験や知識が豊富に備わってくれば徐々にお給料の差が縮まっていき、30代後半ではほとんど差がなくなってしまいます。
1年目の年収が200万円前後としても勤続年数を重ねていけば3年目で約290万円、10年で約360万円、20年で約440万円、30年では約510万円となっていきます。※全日本病院協会「医療従事者の給与に関するアンケート調査報告」による(平成16年9月)
また、退職金に関しては、高卒18歳で入社し60歳まで42年間勤続して定年退職した場合、およそ2000万円が退職金として受け取れるそうです。※日本医療労働組合連合会の調査報告による
病院によっては資格手当てが別途支給されるところもあるようです。また毎月のレセプト作成時期や年度末決算など残業代がプラスされます。
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医療事務の収入と待遇 【パート・アルバイトの場合】
収入
時給800円~1300円
待遇
- 社会保険(※上記の加入条件を満たしている場合、健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険)
- 交通費(ほとんどが全額支給ですが、一部上限が決められているところもあります)
- 残業代
休日
大規模な病院であれば、希望する曜日。
小規模の診療所や医院であれば、決まった休診日。
勤務時間
パートタイムスタッフで一番多く見られるタイプが、朝8時半~12時まで、午後1時~6時までといったように「午前中のみ」または「午後のみ」といった3時間~6時間程度の勤務時間ですが、子供のお迎えまでといった相談に乗ってもらうことも可能でしょう。
社会保障の加入条件
社会保障については、パートタイムで働く人でも条件をクリアしていれば加入することができます。ご主人の扶養の範囲内で働くか、それともしっかり働いて保険料も税金もしっかり納めるかはライフスタイルをご家庭でよく検討して決めた方が良いでしょう。
- 健康保険・厚生年金
- 2ヶ月を超える雇用契約があること
- 1日、または1週間の所定労働時間および1ヶ月の労働日数がともに通常正社員の4分の3以上あること(週4日以上、週30時間程度)
- 雇用保険
- 1年以上の雇用が見込まれていること
- 1週間の所定の就業時間が20時間以上であること
職場復帰も他業種に比べて簡単
結婚後しばらく現場を離れていても一度身に付けた知識や経験を生かして、パートとしてまた職場復帰するということもできますし、夫の転勤で別の地域へ引っ越した場合なども、病院や医療施設は全国どこにでもありますから仕事を見つけやすいのが医療事務の仕事の良さでもあります。
まとめ
家事の合間や子供が学校へ行っている間などパートタイムで働きたい、また夫の扶養家族の範囲内で働きたいという主婦に好まれる雇用形態です。
収入としてはほとんどの場合が派遣社員よりも少なめですが、過去の医療事務の経験や勤続年数などによって同じぐらいの時給がもらえる場合もあります。
また、アウトソーシングで外部の人材派遣会社から派遣された派遣社員はまず交通費は支給されませんが、直接医療機関との契約で働くパートスタッフはほとんどが全額交通費を支給してもらっています。
支給する医療機関側としてはできるだけ支払う交通費を抑えたいのでなるべく近い所からの通勤者を求めますが、1日もしくは1ヶ月いくらまで交通費支給と制限をしているところもあります。
医療事務の収入と待遇【人材派遣・派遣社員の場合】
収入
- 時給1000円~1500円 ※通常の医療事務業務
- 時給800円~900円 ※レセプト時期のみ勤務するレセプト要員
待遇
- 社会保険 ※条件を満たしている場合、派遣元の社会保険に加入できます
- 有給休暇 ※条件を満たしている場合、派遣元の有給休暇が取得できます
- 昇給 あり
- 賞与 なし
- 交通費はほとんど支給されません ※一部上限が決められて支給される派遣会社もあります
- 残業代 全額支給 ※働いた時間数支払われます
- 各種資格手当て ※派遣先・元の規定による
休日
正社員同様、医療機関で定められた休診日や、1ヶ月に6日休みを取る4週6休体制。もしくは契約期間・条件による。
勤務時間
フルタイムでの派遣契約の場合、正社員同様外来受付が始まる30分前が一般的な始業時刻となります。基本的には始業時間も終業時間も契約で取り決められた時間となりますが、多忙となるレセプト時期などは残業も必要となります。レセプト要員として契約された派遣社員は決められた時間が勤務時間となります。
まとめ
派遣社員は正社員やパート、アルバイトスタッフが医療機関から直接雇われるのと違い、人材派遣会社から医療機関へ派遣されて契約期間勤務することになります。派遣社員は医療機関と雇用契約を交わすのではなく、派遣元である人材派遣会社と雇用契約を結びます。そして人材派遣会社が医療機関と業務契約を結びます。
医療機関における派遣社員の採用目的・契約条件は、通常の医療事務の業務としての契約と、月末月初のレセプト専門要員や年度末決算の要員としての忙しい時期に限った契約があります。レセプトのみ集中して行うレセプト要員の時給は、通常の医療事務全般の業務より安い時給設定となっています。
また紹介型派遣といって、のちのちはその医療機関で正社員として働きたいという前提で派遣され、契約期間満了後、派遣先の医療機関と派遣されたスタッフ両者の合意があれば、医療機関の正社員として採用されるという契約もあります。正社員を望む人はまず紹介型派遣からアプローチする方法もあります。
収入の面ではパートやアルバイトよりも優遇されており、たとえば1200円の時給で1日8時間・1ヶ月22日正社員と同じフルタイムの時間数働いた場合、20万円を少し上回る程度と月収で見たら正社員のお給料より貰える額が大きくなります。
しかし、待遇面で派遣社員にはボーナスも交通費も支給されないため年収で考えなければいけません。また医療機関の経営状態が悪化した際に真っ先に削られるのは派遣社員やパートスタッフにかかる人件費であることを理解しておかなければいけません。
あなたが働いている医療機関が経営困難な状態に陥ったときにでも、あなたに抜けられると困る、何とか残せるように派遣先である医療機関に思ってもらえるような正確で迅速な業務処理能力や専門知識を磨いておくよう心がけることも大切です。
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外来受付窓口業務
病院など医療施設の受付窓口の業務です。
一般的な業務内容は・・・
- 初診の外来患者さんに「問診表」と「診療申込書」を記入してもらう
- 健康保険証を提示してもらい必要事項の転記/確認
- 診察券を発行
- カルテの作成/管理
- 再診の患者さんのカルテを探して用意
- 次回診察の予約
- 診察待ちの患者さんの呼び出し
- 診察室・検査室への案内
- 電話応対
- その他もろもろの問い合わせ
などが挙げられます。
健康保険証やカルテなど個人情報の含まれる重要書類ですから慎重な取り扱いが必要です。間違って紛失してしまったり、誤ってほかの書類と紛れてシュレッダーにかけてしまった!なんてミスは絶対に許されません。
住所や病歴などプライバシーに関わる個人情報が含まれた書類をほかの患者さんの目に触れるようなところに放置することもいけません。どんなに忙しくても大切な書類を預かっていることを忘れずに十分注意して扱うことはどんな医療施設へ勤務しても同じことです。
また、病院に来るのは患者さんやお見舞いに来る患者さんのご家族やお知り合いだけでなく、製薬会社や医療機器メーカーの担当者といった取引先や医師への来客があることもあります。たくさんの病棟や診療科に分かれている大学病院や総合病院では、患者さんだけでなく勤務したての医療スタッフでさえ迷子になってしまうこともあります。
そんな大きな病院ほど忙しく慌しい環境になりますが、患者さんを病室や検査室への案内したり、診察日・時間、トイレの場所などの些細な問い合わせにも笑顔で応対できるよう親切で感じの良い対応を心がけたいものです。
電話の応対に関しても同じように丁寧な言葉遣いが必要ですが、顔が見えない分も余計に患者さんやご家族に不安を与えないよう明るくそして的確な受け答えができ、正しい情報を伝える能力が求められます。また患者さんだけでなく、研究機関や学会関係の方からの医師への取次ぎや問い合わせなどもかかってくることもありますし、交通事故などでかかった診療費に関しての損害保険会社との交渉もあります。
ぶっきらぼうな不信感のある対応では病院の信用に関わる問題になりかねません。私も病院の受付で事務の人の感じの悪い対応で嫌な思いをした経験があります。体の具合が悪くて病院に行ったのにさらに気分まで悪くなった気がしました。
病院の顔ともなる業務のため受付の対応ひとつで印象が変わります。辛い中、来院している患者さんの気持ちが少しでも楽になるような、安心して診察が受けられるような受付窓口だと嬉しいですよね。
また小さな医院ではその他にも院内の清掃やお花の水替えなど庶務的なことをする場合もあります。不衛生な医院で診療を受けたくないですよね。だらしないイメージにも繋がります。院内を明るく清潔に保ち患者さんが快適に受診できる環境を整えるのも大切な仕事のひとつです。
外来受付クラーク業務
また、大きな大学病院や総合病院になると外来受付クラークという業務もあります。こちらは各診療科での事務的業務になります。
業務内容は主に、診察待ちの患者さんの順番が来たら呼び出したり、診察室やレントゲン室などへ案内をしたり、総合受付窓口で作成されたカルテを診察室へ回したり、患者さんにその診療科の問診表に記入してもらったりといった業務になります。