電子カルテの世界もなかなかおもしろい
もう10年も前にいろいろと賑やかな話題もあり比較検討したものだ
その頃のものが残っている場合はいいけれど
サポート打ち切りなどとなったら大変かわいそうだ
最近は日医標準のレセコンORCAを中核にして電子カルテを構成する商売が強いようだ
サンヨーや富士通といった大手は
一方では独自レセコンと一体の製品にこだわりつつ
一方ではオルカとの連動を考えている
安価なものでは
Open Dolphin や dynamics などが有名だ
外来業務と病棟業務はかなり違うし
使う人も違うので
自ずと違うものになる
「誰でも使える」要素を強く考えると馬鹿でのろまなソフトになる
「限られた人しか使わない」ことでもいいとすれば、それはPCなのだからかなり高度なこともできる
販売してサポートして商売にすることを考えれば
誰でも使えますと宣伝するしかない
そのかわり「いらいらします」とはいえないわけだ
ワードとエディタの関係である
いつも文章入力する人がワードを使っていたらもどかしくて仕方がない
しかしワードの技術力が低いわけではない
誰にでも使えて多くの人に魅力的に映るように調整するとワードみたいな感じになるのだろう
わたしはワードは嫌いなので印刷には一太郎を使うが
それよりもエディタを開いている時間が長い
最近の一太郎は充分に速くて賢くてエディタと変わらないのでたいしたものだ
個人的には
電子カルテなんかなくても
一太郎で充分だ
しかしそこから病名と処方内容をレセコンに飛ばさないといけないので
CLAIMという方式を使う
これを使うにはファイルメーカーなどの方がいいのだけれど
いずれにしてもまだるっこしい
自分は一太郎に入力して
あとは事務に流して任せる
ーー
経営というものは
費用対効果の積み重ねである
医者が一人で全部やる場合の費用対効果と
医者と有能なクラークを組み合わせた場合の費用対効果を比較検討することになる
効果は治療効果でもあり経済効果でもある
コンピュータのハードやソフトは見極めがつきやすいような気もするが
人事はそうはいかない
組み合わせとかタイミングの問題もありで
やはり手探りになる
変化するブラックボックスとつきあうしかないと割り切る
ーー
データ加工をするのはパソコンの得意技なのであるが
エクセル以上の賢い加工はまだ見たことがない
入力システムに至っては
もう人間の頭の悪さの展覧会のようなものだ
一人一人の症状は千差万別なのに
「クリック一つで入力」なんていうことを売り文句にしている
月に一回だけPCを開く人ならそれでもいいけれど
毎日入力するPCに定型句ばかり使っていると
もう本当に馬鹿になって仕事が嫌になるだろう
文章を書かせると常套句ばかり書いてしまう人がいるものだ
新聞の投書によくある
クリエイティブな表現を封殺する定型句入力は
知性の退化である
退化しても気にならない人たちも多いわけで
それはそれでいいと思う
退屈な俳句を並べているようなものだ
それが楽しいらしい
ーー
薬の入力とか病名登録とかなるべく短いコードで入力を済ませたらいいのに
これもクリックで選ばせるという馬鹿さ加減である
普通の辞書ならいくらでも短縮登録ができて工夫ができるのに
あとで会計ソフトに送る都合があるので
自由入力を封殺している
これで時間がかかる
ーー
電子カルテはまだまだどうしようもない段階なのであるが
少なくとも判別できる文字が並んでいる分だけ、事務さんにとってはましだと思う
ーー
わたしとしては
画面で上から十行くらいは毎回目にすべき情報としている
エクセルで言うとスクロールしない固定部分である
現在の課題とか
効かなかった薬、あといろいろ個人情報、ジャズシンガーとか表示している
その下は、ブログみたいに新しいものが上に来るように並べている
処方と病名はコピー・ペーストしてそれを訂正する
訂正したときに消したものは抹消線
加えたものは赤表示などとして明示している
病名と薬剤は短縮登録していて自分の特殊な変換で一発で出るのでストレスはない
組み合わせて使いたい薬は一緒に出るように登録してあるので忘れずに出せる
ATOKの辞書を先輩から譲ってもらったときに登録の工夫をいろいろと学んだ
そのかわり、私の知らない固有名詞もたくさん入っている
脇の甘い先輩である
日々の画面の情報を直接レセコンに流せばいいのだけれど
ダブルチェックの意味もあり
事務さんにお願いしている
だいたい私は請求し忘れるので事務さんが拾ってくれる
併用禁忌はレセコン側でチェックしてくれるし
病名漏れもレセコンは厳しくチェックしてくれる
だから事務さんとレセコンで三重チェックになっているわけだ