イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき

かつて業界でナンバーワンだった企業がなぜ新興企業に負けてしまったのか、経営者はどんな間違いをしてしまったのか
経営者が優秀で、優秀な社員を抱えた優秀な企業からは、業界の地図を塗り替えるような新技術(破壊的イノベーション)は生まれてこない。気がついたときには、予想もしなかった新技術を開発したかつての弱小企業の勢いを止めることはできない
優良な企業、優秀な経営者ほど「破壊的イノベーション」に遅れをとってしまう
これをイノベーションのジレンマという

5インチハードディスクに対する3.5インチハードディスクやパワーショベル、デパート業界での新規参入と古参の移り変わりの事例を元に、顧客のニーズを超えすぎてしまう高性能製品の行く末と、新たに別の土俵から登ってくるシンプルな製品(と企業)の世代交代についてまとめられています。 ウォークマン・携帯電話・デジカメ。

2007年の身近な事例を挙げるとすると、Windows VistaとGoogleのサービス、SONYのPLAYSTATION3と任天堂のDS、次世代DVD(両陣営)とネット動画配信事業 あたりが良い例でしょうか。 


イノベーションには2種類ある。 
従来の技術を発展させる、持続的イノベーション。 
従来の技術を根底から破壊する、破壊的イノベーション。 
真に投資すべきなのは、破壊的イノベーションに対してだ。 
しかし、顧客・内部のシステム・市場の規模 さまざまな要因が企業を持続的イノベーションへと向かわせる。 
この傾向は大企業ほど強い。つまり大企業は大企業ゆえに失敗する。 

Blueray よりもネット配信。
最高画質で世界遺産を見るのもいいけれどほどほど画質で最新谷村奈南を見たいわけだ。

次世代ゲーム端末ではなくてiPhone。

ソニーのPSはまさに巨大化した陳腐な象だ。
いまからでもWiiの真似をすればいいのに。

Microsoft Officeはもう巨大化しすぎて大多数の人には興味のないものになりつつある。
最初は驚嘆であったものが、次第に巨大な陳腐さになる。


ソニーがクオリアシリーズなんて言ってがんがん行こうとして失敗したのも同じ。
いい音なんか求めてなくて、ほどほどのものでよかった。

自動車も「こんなこともできる」は受け容れられず
簡単な町乗り車があたりまえになった

自動車こそは富のシンボルだった時期があり
若者のあこがれだった時期もあり
その助手席にふさわしい人を迎えるのだと夢想していた時期もあり
そんな時代には
大きくて高性能の車を所有するのは自分の「小ささ」を補償するためなのだと精神分析学者にバカにされていたものだ

いまとなっては
スポーツカーで海辺をドライブするなんて
石原慎太郎くらいだろう

画像もそんなもので、
電器屋で比較すれば違いはあるけれど
家や事務所で一つだけの画面を見ているなら
そんなに気にはならない。

何しろ、それを言うなら、自分の脳と目と耳しかないので、それが一番の限界になる。
日本では今後高齢者がますます増えるので
老眼と難聴の世界になる。
車でクラクションを鳴らしても誰も聞いていない世界。
これは巨大企業とは別の「崩壊」の話。

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それにしても
顧客のニーズを超えすぎてしまう高性能製品
の話は
恐竜の進化そのもので
同型性があるので興味深い