治験薬は筋萎縮性側索硬化症患者の1/3で筋機能に有効
2009-12-09 19:57:08 -0400 (ロイターヘルス)発
By Deena Beasley
ロサンゼルス(ロイター) – Sangamo BioSciences社の治験薬が投与された筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の約1/3は筋力の改善を示したことが、火曜日に発表された予備的な中間段階の試験結果から示されている。
本小規模第Ⅱ相試験から、SB-509と呼ばれる治験薬を2回注射された患者19名中6名、すなわち32%が、徒手筋力テストに基づいて、約4ヶ月後に筋機能が改善されたことが示された。
同様の非治療患者に関する過去の記録からは、17%が徒手筋力テスト(MMT)で改善を示した、と同社はベルリンで開催された医学会議において述べた。
ベルリンで発表された本データは、180日にわたる本試験の最初の120日を終了した患者を対象とした。
「これまでのデータから、奏効を示した患者数が約2倍となったことが示されている」と同社の最高経営責任者であるEdward Lanphier氏は述べた。
同氏は、来年の第2四半期に終了する予定の本試験において、筋機能がこれほど改善されることは認識していなかった、と述べた。
Sangamo社によると、本試験には患者45名が登録され、5名は追跡調査が不可能となり、1名は死亡し、1名は初回投与後に試験を中止し、別の1名はホスピスケアに移行した。
本薬剤の忍容性は良好であり、治療関連の有害な副作用は認められなかった、と研究者らは述べた。
初期のデータは「より頻回の投与が良いことを」示しているとみられる、とLanphier氏は述べた。
同社は、これまでに筋機能改善を示した患者のうち5名が、呼吸機能または努力肺活量も測定する改訂版ALS機能評価尺度(ALS-FRS-R)など、本試験に関する他の評価目標の1つ以上において、同時に改善を示したと述べた。
SB-509は、ALSにおいて重要な役割を果たすことが示されている血管内皮増殖因子の「ジンクフィンガー」型活性化因子であり、糖尿病による神経損傷の治療薬としても試験中の薬剤である。
リルゾールの一般名で知られるSanofi Aventis SA社のリルテックは、ALSに対して承認されている唯一の薬剤である。
Lanphier氏は、Sangamo社がALS患者におけるSB-509のピボタル試験を実施するのか、またその時期はいつになるのかに関して何も述べていないが、ピボタル試験ではSB-509と神経細胞をグルタミン酸曝露から保護するようデザインされているリルテックが比較評価されるであろうと述べた。
「ALS治療における課題のひとつは、神経系の異なる領域において作用する異なる薬剤を見つけることである」とSangamo社の臨床開発部門統括責任者であるEly Benaim氏は述べた。「併用療法の可能性がある」
同氏は、ALSに対する「魔法の薬」が存在しないこと、QOLを改善する(患者が自分で食事をとれるようにする、または車椅子を動かし続けられる)薬剤が極めて有用であろうことを医療界は理解するようになっている、と述べた。