クリスマス・イブの夜、NHKでは大阪の街の将棋のオヤジたちを放送していた。
小学から中学にかけて、祖父と将棋をした。
祖父は結構強くてずいぶん長い間好敵手だった。
わたしは定石を覚えたり詰め将棋で練習したりは嫌いだった。
上達の近道だと聞いていたが、何だかいやだった。
結果としては、あまり上達しなかった。
それでも最後の頃には祖父よりも強くはなっていたと思う。
数学の問題なども似たところがあるといまは思う。
時間制限の中でどれだけ問題が解けるかは、
頭がいいという事の他に、
定石にどれだけ習熟しているかと言うことが問題になる。
どんな問題が出そうか分かっていて、
どんな解き方ができそうか分かっている
世界なのだ。
数学の問題は、平均点と偏差値がほどほどに分布するように出題しなければならないので、
そのようなものにならざるを得ないのである。
それなのに
過去のパターンとか定石をあまり見ないことにしていて、
いちいち最初から発見する楽しみを本来の数学だと思っていたのは
やはり素人臭い話ではあった。
祖父はあのときもっと役立つことを私に教えてくれればよかった
そうすればもっと速く数学ができるようになっていただろうし
いろいろなことを速く卒業できただろう
祖父は自分の楽しみのために
私の教育を渋ったのだと思う
出し惜しみしたのだ
私に話したことなどなかったけれど
本当は悪いオヤジで
愛人に小料理屋などをやらせていたのだった
一方、祖母は巨乳で、風呂に入ったときなど、孫の前で巨乳をいじって見せたりしていた。
こうして思い返してみるとみんな変だったな。