習わねば人の問はぬもつらからで悔しきにこそ袖は濡れけれ
恨みに慣れておりませんので貴方が訪れないのも辛くはありませんでした。
ただ貴方のような薄情な人に従った悔し涙で濡れていました。
あなたを恨んでいない、つらくはないのだ
ただ泣いているのだ
という
あの人は今夜もよそに行っているのだから
自分の魅力が足りないのだと泣いている
恨むなんて習わなかったと
ここで表現しているのだから
もうすでに知っていることを白状して
恨んでいると間接的に語っているのだけれど
それでも自分の心の持ち方としては
貴方を恨んでいない
自分の魅力が足りないのだと泣いている
というわけで
まことに奥ゆかしい