高齢化の進行、高度医療の進歩で、
医療費増大は不可避である
完全自由市場にしたとしても、
やはり医療費は増えるだろう
民間医療保険会社が日本の医療保険として何を売っているのか
意味がよく分からない
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そんな中で、医療費の総額をどうするかが議論されている
医療費の総額は政府が管理できるものなのだろうか
たとえばプリウスを何台製造して何台売りましょうという目標ならば設定することができる
売り切れですと言うこともできる
しかし病気についてはどの病気がどの程度の発生で治療費はどの程度ですと
統計だけで決められないし
もちろん政府は節約したいわけだ
しかし病気について、今日はこれでおしまい、薬もないしお医者さんもいませんと言えるものだろうか
自動車で言えばプリウスは去年は100万台だったものを今年は70万台にする
その分しかお金は出さない
と言っているわけだ
すると現場では患者は逆に増えているわけだから
100万円だったものを70万円どころか60万円で売るしかない
当然赤字で民間病院は閉じてしまうし公立病院は赤字を税金で補填してもらう
国は出さないけれけれど地方自治体は出さないといけない
市民病院は閉鎖しますと公約に掲げたら多分確実に市長選挙には負けるだろう
というわけで何にも節約にならない
むしろ、病院に行くよりも予防だとかマッサージだとか言って
いろいろな物にお金を使っている
新聞広告に山のように出ている
その分を全部医療費に集中してくれればずいぶんいいと思うのだけれど
それぞれの商売で食べている人があるのだからそんなわけにも行かない
新聞だってその広告費で食べている
無駄なお金を節約して産院とか小児科に回せばずいぶんいいのだけれど
人間は決して合理的ではない
と言うわけで、今年の医療費はいくらと言うことだけが決められて、
その枠内で何とかやってくださいと下に降りてくる
上では総額を決めているのに
下では病気が発生すれば受診するのだから
計算は合わない
医療費の総額が決められるという発想がそもそも医療的ではない
結局、本当のプリウスではなく、部品を節約したプリウスが走ることになる。
それでも国民はいいらしい。
どこかの誰かが損をするのだと漠然と考えて、
損をしているのは実は他ならない自分なのだ。
もともとを正せば税金である。
命を守ること以上に優先すべき政策はなにがあるのだろうか
安心して出産できる
子供は安心して育てられる
そのこととリニアモーターカーのどちらが未来の経済成長に役立つだろう
少子高齢化、移民拒否、日本語の壁、こうしたものがある限り、事態は先には進まないだろう。
みんな承知しているのに、違う話ばかりしているようだ。