浅田の挫折

ため息が出るような話

フィギュアスケートの浅田は4年前のオリンピックの直前、明らかに世界一のスケーターだった
ただ年齢の問題があり若すぎるというので遠慮した
若すぎるとどうだというのかよく分からないがとにかく遠慮した
そのときは多分、4年後に文句なく勝てばいいのだという程度だったかもしれない
そして現在、浅田は世界一ではない、キムが浅田を抜き去っている
大きな壁そして挫折
もちろん彼女が世界第二位のスケーターであることは確実だ
しかし金メダルが確実であった人間にとってそれはつらい事実だ
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映画を見て感動するのは、自分の心に傷があるからだと、ダイアンレインが言っている
この期間、浅田は、技術について考えるほかに、運命について、神について、考えたと思う
そのようにして自分の第二位というポジションを守り、オリンピックを迎える
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挫折なく進んだ人間がとる金メダルよりも
挫折の後に立ち上がり、不撓不屈の精神により、その後に勝ち取った銀メダルが尊いと思うのも
人間の真実である
そこに感動があり、物語がある
4年前、浅田は突然現れた
息をのむような妖精だった
いま浅田は苦難を経験し物語に包まれた英雄だ
すべての挫折した人の心に訴えるものを持った人間になった
浅田の演技に感動するのは我々が自分の心の小さな挫折が痛みまた癒されると感じるからだ