社会不安障害または社交不安障害の評価に
LSAS:Liebowitz Social Anxiety Scale(LSAS)を使うのだとの話になり
昔のことを考えた
対人恐怖と呼んでいたもので
日本の精神医学会では世界の中でも最も研究が進んでいると自負していた
日本人に特有の心性とか言われたものだ
なんでいまさらLSASなんだろう?
思春期妄想症と自我漏洩症候群と、そして統合失調症との関係について議論された
現在では社交不安とうつの関係に注目が集まり
薬剤もこれら両方に効くものとかがあって紹介されている(日本ではパキシル,ルボックスなど)
おかしいなと思うのは
少し考えても対人恐怖がうつと関係付けられるのは当然すぎることで
対人恐怖があって躁状態になるとは誰も考えない
背景に統合失調症があるかどうかが問題なのだ
むしろ学問としても臨床としても統合失調症を見逃さないこと
そして性格障害の要素を正しく評価すること
神経症水準と精神病水準の交わる領域であるから鑑別を慎重にすること
もともとの精神病的病理と発達の問題とがあり(思春期妄想症)
そこに防衛の病理として神経症的要素が混入するので
その様態を見定めること
なかでも統合失調症の見逃しはいけないこと
などを先輩に教えられたと思う
当然のことだが第一選択薬の一つはスルピリドであった