抗うつ剤の認可

これは専門の人にはもう知れ渡っていることだけれど

最近は国によって認可される薬剤が異なっていて
これは科学のグローバルな原則とは違うことなので不思議だと思う
日本でも昔はアメリカで認可されて実際に使われているのだから
日本でも使って当然いいだろうと
素直に考えられて認可された時代もあった
スルピリドはアメリカで使えないとか
オランダではトリアゾラムが使えないとか
日本ではベンラファキシンやシタロプラムが使えないとか
それぞれに歴史があり事情がありで
それなりに理解できるのであるが
認可の状況が国によって違うのは
リスクとベネフィットの評価がそのくらい不安定な判断だということでもある
最近はプラセボとの比較対照実験でそもそも突破できなかったりして
不思議に思われている
それはあまり不思議ではないのだが
一因としてはたぶん
うつ病の診断基準が広くなりすぎていて
プラセボでも治ってしまうという事情があるのではないかと言われている
しかし診断基準を問い直すためには
病気の本質を知る必要があり
そして
病気の本質を探るために
とりあえずの診断基準が必要であり
そのせいで
うつ病の範囲が広くなってしまいという事情である
とりあえずの診断基準を狭くしてしまうのと広くしてしまうのとでは
本質が知られるまでは
やはりやや広くしておくしかないというのが実際だろうと思う
いろいろな事情があって現状に至っている