現在では農作物冷凍貯蔵などできるのだが
昔は塩漬けで保存するくらいしか方法がなかった
つまりその年の豊作はその時限りのもので
来年はまた別ということだったと思う
このことは勤勉でありさえすれば再出発の機会があるという事で
とても希望のもてる話なのだと思う
(地主制度とか、いろいろあるけれど)
他の農家に比較して豊作だったという場合も
食べきれないから分け与えることになったと思う
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農耕の習慣が暦になって残っているので
日本のプロ野球は農耕の暦に従っている
田植えの前に一年のリーグが始まり
稲刈りのあとで優勝者が決まる
それまでは一試合には一試合だけの重みしかなく
平坦な時期が続く
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普通の商売や株取引では
大儲けすればそのあと一週間位は楽ができる
大損すればそのあと穴埋めしなければならない
ところがプロ野球では10点とっても次の試合はゼロからだし
完封しても次の試合は優位要素はない
このあたりのゼロから開始の感覚は農耕的なのだと思う
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貯金方式にしたとする
10対2の試合では3点だけ使って3対2で勝ちと決めて
未来の任意の試合で7点を自由につかえるという制度にすれば
随分違うし
実際の商売に似てくるだろうと思う
一点でも多くという掛け声は実際に切実なものになる
監督の采配の重みも違ってくる
たとえば8対5で負けている時に
4点を使って勝つのがいいのか
そのまま負けてしまうのがいいのか
高度な駆け引きになる
相手も貯金があれば複雑な勝負だ
年間得点と年間失点との合計で競うのは
なんだかあまりにつまらない
現実の経済活動はその方が近いと思うが
野球の得点にも税金をかけて
国民を教育しよう
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でもそうなったら
現実の会社と同じように
プレイヤーとマネージャーが分離するだろう
複雑すぎて野球選手には分からないはずだ
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もう少し複雑にするには
野球球団の株式のようなものを作ってそれを公開し
それに国民が投資できるようにすることだ
野球得点マーケットを開いて
取引してその結果で日々球団の備蓄額が変動する
実際の株式マーケットと同じ
実際の試合で得点しても
投資ゲームで得点しても同じ効果である
ホームランを打つのと
宣伝して株式市場が盛り上がるのと同じ効果ということになる
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同じかどうか分からないが
だんだん農業から離れてゆく
一試合ずつで決着がついて
一年でまたゼロから開始というのはいいものだと思う
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実際は広島球団と読売球団のように資本力とか宣伝力で
下部構造に違いがあるわけで
上部構造にもそれが現れる
にもかかわらず強かった時期があったので
それも不思議だ