合格ラインが100点だ

「仕事と勉強は決定的に違う。どうもそれが理解されていない」
「いったいどこが違うんですか」
「勉強ってのは、たとえばテストの点数でいうと、零点から満点まであって、成績はその中間のどこかにあるわけだ。カリキュラムの中ですべてが理解されていれば満点が取れるはずだが、実際は50点取れていれば合格になったりする。80点なら〈よくできました〉ってことになるだろ? ところが、仕事っていうのはちがう。自分に与えられたミッションは必ず達成しなくてはならない」
「つまり合格ラインが100点だってことだ。がんばったけど惜しいところで80点しか取れませんでした、というのは仕事ではあり得ない。それは完全に不合格なわけだ」
「はい」
「どんな小さな仕事でも、それはかわらない。例えば明日までに見積書を作らなくてはならないとしたら、明後日では絶対駄目なわけだ。お客との約束があったら守らなくてはならないし、守れなくて失注して会社の業績目標が達成できなければだめなわけだ」
「業績目標は努力目標じゃないんですね」
ーー
なるほど。そうだろうとおもう。