この街は特殊らしくて日曜日には
車もほとんど走らない
ただ信号機が
虚しく点滅している
夜中でもないのになあと
思いつつ
その様子をしばらく眺めていた
部屋の家具の配置換えをしたので
新しい場所のソファに座ると
窓からの信号機がずっと見えている
思い出したのは
昔の研究室だ
その部屋からも窓を見るとまっすぐのところに
信号機が見えていた
昼にはあまり目立たないのだかが
深夜になると
赤の点滅だけになっていたような気がする
研究室に泊り込むのは普通だったし
夜のほうがはかどったので
しばしばその赤信号点滅の風景を見ながら時間を過ごした
そのようにして過ぎてしまった日々は
いいようでもあり
つまらなかったようでもあり
半ばの後悔を含んでいる