プロ野球の解説で「流れ」という便利な言葉で包括的に理由がつけられる
それでなんとなく通ってしまうのは
それなりに理由があるはずだ
positive thinking などは「流れ」と関係があるような気がする
「流れ」がこちらにあると感じるのは主観的な問題だろうから
そう状態の人は流れがこちらにあるといつでも思っているだろう
うつ状態の人はいつでも流れが向こうにあると焦っているだろう
試合の中で流れが必ず何回か来るとしばしば言われて
劣勢にある側も励まされている
それは人生の中でそうもうつもあるという考えと一致している
試合の中で「流れ」が認知されるためには
それぞれが勝手に自分が有利だと思っていては成立しないのだから
優勢と劣勢の認知が相手と一致していないと理屈が合わない
集団内での感情の同調性が特に高いと言われている日本人の場合には
なんとなく試合の中で同調してしまうのではないかと思う
流れは実はいつでもイーブンだと
冷静に認知することはできないものかと思うが
それではエキサイトしないわけだ
ーー
流れは自分で作ることができるわけではなく
「運」と似たもので
「来たときにつかまえる」種類のものであるらしい
根本的にある程度受動的なのだが
「来たら必ずつかまえる」という程度の能動性は要求されている
この種の受動性は
支配される人民として適した性質だろう
一種の諦観がある
ーー
力が拮抗した状態で
なんとか精神力でプラスアルファの力を引き出そうとするとき
「流れ」という言葉は有効なのだと思う