働くほどなぜ人は貧しくなるのか?

働くほどなぜ人は貧しくなるのか?
 ――マルクス、26歳。新しい思想の誕生。

『経済学・哲学草稿』マルクス  長谷川宏・訳  光文社古典新訳文庫 2010年6月10日刊


独自の人間疎外論
マルクスによれば生産手段の私有を基礎とする国民経済のもとでは、
生産手段を所有していない労働者は自己の労働を商品として売らねばならない以上、
①労働生産物は労働者に帰属せず(労働生産物からの労働者の疎外硬外)、
②生産労働も労働者にとって外的な強制労働になるが(生産労働からの労働者の疎外)、
こうした生産物や生産活動からの疎外は、
③人間の類的本質からの疎外を意味するとともに(類的存在からの人間の疎外)、
④労働者と資本家との敵対関係を帰結するものとされた(人間からの人間の疎外)。
 マルクス「疎外された労働」四つの規定というそうだ