対他配慮は他者中心性であり
当然自己中心的な自己愛とは反対である
メランコリータイプ、執着気質、循環気質のそれぞれは
対他配慮成分が自己愛成分に置き換わっていて、
その中心は自己中心の自己愛のままで
成長が停止していて、
対他配慮にまで成熟していない。
だから未熟型・自己愛型と言える。
これらがうつ病になったときも、
MADの三成分については変化なくあるのでうつ病にはなる
従来は成熟型で対他配慮が成熟した段階のものをうつ病と呼んでいた。
子どもの場合、睡眠が長いし、無理をする環境でもないので、また神経細胞の活動余力が大きいと考えられ、
MAの活動停止がなかなか起こらないし
回復もひと晩程度でもかなり大幅に回復し蓄積しにくいと考えられる。
睡眠不足が続くとうつ病になりやすいのも理解できる。M cell の回復が間に合わないからだ。
未熟型・自己愛型の各性格がうつ病になると
人格障害的になったり適応障害的になったりする。
弱力型がうつ傾向になるときは
ディスチミアの様相を呈する
ディスチミアはⅠ軸の診断であるから性格の描写の用語ではない。
病前性格を暫定的に弱力型と呼んでおくが実際はディスチミア自体が性格そのものに近い。
ディスチミア親和型うつ病ということになると
文字だけで見れば、
ディスチミア型性格を病前性格として発展したうつ病ということになるが
ディスチミアはやはり不安障害などと同じくⅠ軸の診断名であるから
併存症と言うべきである。
従って、古典的弱力性性格が未熟型・自己愛型にとどまって、うつ病になると独特な病像を呈する。
その意味では名付けてとしては、弱力性格型うつ病の未熟・自己愛型と呼ぶのがいいだろう。
メランコリー型 A大
執着気質 M大
循環気質 MA大
弱力質 MA小
*****
また昔は貧困妄想や疾病妄想、加害妄想が起こるのが典型的なうつ病の一つの病型と考えられ、
妄想がある点で精神病レベルの病態であるとされていた
これについても、充分に成熟した人格が妄想を抱くならば、精神病とも言えるのだが、
現代のように未熟な人格がうつ病だという場合に、
妄想とまでは言えず、妄想様観念という程度のものになる。
子どもの場合に妄想のようなものを抱いたとしてもそれは妄想ではなく妄想様観念と言うべきであるのと同様である。
妄想様観念は少なく、むしろ不安性障害の領域との併存症が多い印象がある。